魯迅先生 使った井戸 どこですか?@仙台(1)
魯迅先生
以前、観光で訪れたであろう中国の方に、「魯迅先生 使った井戸 どこですか?」と、片言の日本語で尋ねられたことがあります。
魯迅先生とは、東北大学の片平キャンパスに胸像がある、この写真の人です。
胸像というと普通、顔は目立たないのですが、魯迅先生の像は両肩がなく顔が大きいため、誰もが立ち止まって一度は眺めます。
何をした人なのか、以下の東北大学HPから引用すると、魯迅先生は中国を代表する思想家とのことです。
1904年秋、1人の中国人留学生が、医学の道を志し、東北大学の前身である「仙台医学専門学校」に入学しました。のちに『狂人日記』や『阿Q正伝』等の作品によって中国文学に新しい息吹を吹き込み、近代中国を代表する思想家として活躍した作家「魯迅」その人です。
魯迅先生の井戸
さて、話は尋ねられた質問に戻って、その方から聞き出したところによると、
「魯迅先生が仙台に住んでいた時に、使っていた井戸が、この辺りにあるという資料を見たので、探しているのですが」
との事でした。
しかし、この辺りでは、井戸らしきものを見たことも、話に聞いたこともありません。
「すいません、ここら辺で井戸は見たことないので、どこか違う場所ではないでしょうか」と返しました。
かつての井戸を探しているなんて、同じ井戸の水を飲んでみたいとか、その水を浴びてみたいとかでしょうか。
その方は「もう少し探してみる」とのことだったので、それきり別れてしまいました。
魯迅故居跡
それから、そのことはすっかり忘れていたのですが、あれから5~6年経った今頃になって、その方が探していた井戸はもしかしてこれだったの?、という井戸を見かけました。
ここは、写真の石碑に「魯迅故居跡」とあるように、かつて魯迅先生が住んでいた下宿(佐藤屋)があった所です。
以前、井戸の場所を聞かれた時には、まだその下宿の建物が残っていて、建物の奥に井戸があることは分かりませんでした。
東日本大震災で建物は傾きかけていたため、最近になって取り壊されたのかもしれません。
「魯迅故居跡」(〒980-0813 宮城県仙台市青葉区米ケ袋1丁目1−1−11)。
(仮称)魯迅記念広場
なお、更地になったこの場所は、仙台市によると「(仮称)魯迅記念広場」として今年の秋頃から整備されるようです。
分かりづらいてすが、以下の完成イメージ図の中に「井戸(既存)」とあるので、井戸はそのまま残されるようです。
街中だと、古い建物は建て替えられて、片隅に石碑とか、○○跡等のプレートが残るだけになったりしますが、公園などで歴史的な人の軌跡が形を持って残されていくのは良いですね。
さて、魯迅先生の井戸探しはこれで終わりかと思いきや、実は続きがあります。
それは又の機会に。